2016年3月11日金曜日

優雅な勤め

少しびっくりした記事に、理想的な仕事の環境を考えてみました。

今読んでいる心理学者のミハイ・チクセントミハイに「フロー状態」と言う言葉があります。
精力的に集中している感覚は、他者に妨害されない環境が必要と書かれています。
もっとも個人が力を発揮するには、抑圧は妨げになると言う研究です。
 

 
 
優雅な勤め

 

 

渡辺千賀さんという方が、2008年に開示されたアメリカの公文書を訳しています。

以下に記載します。

 

一定の組織内では、

スピーディーに物事を進めると先々問題が発生するので賢明な判断をする「道理をわきま


えた人」を大切にする。

 

可能な限り案件は委員会で検討する。委員会は最低でも5人以上とする。

 

何事も指揮命令系統を厳格に守る。意思決定を早めるための「抜け道」を決して許さない。

 

組織的位置づけを大切にする。

これからしようとすることが、本当にその組織の権限内なのか、より上層部の決断を仰が

なくともよいのか、と言った疑問点を常に考慮する。

 

前回の会議で決まったことでも問題を感じたら再討議して検討する。

 

なるべく紙面にて詳しく報告する。

文書は細かな言葉も大切にする。

重要でなくとも解り易く完璧な仕上がりを心がける。

 

業務があっても会議を優先する。

業務の承認手続きを、一人に任せず3人で承認するようにする。

 

すべての規則を厳格にまもる

・・・・・・・・少々ですが文章は解り易く変更しています。

 

官庁や役所、大きな企業では、これらの事項をほぼ順守して日々の仕事をしているだろうと思います。

日本だけのことなのか、海外でも同じような会社組織になっているのか,知識不足ですが、大きな組織だとほぼこのような業務姿勢だと思います。

(そういう所で務めた経験がないので、想像ですが)

しかし、実はこの文章は、

CIAの前身機関が、第二次大戦時に敵国内に入り込んだCIAのスパイを敵国の組織の

生産性を落とすために「簡単にサボタージュさせる方法」として考えられたガイドです。

米国の知能が並外れて優れていることに驚くより、今の会社組織のありようが変なのはこ

の為なのかと思われる方より、どうして?と思われる方・混乱される方が多いのではない

かと思います。

それほどに内面化されています。

このガイドは、組織を停滞させ、業務の遂行を速やかにさせない方法を述べているのです。

そうすることによって国力を下げさせるための方策です。

これをどういう風に考えるかは、それぞれですが、

文面が嘘っぱちととるか、

戦後アメリカCIAが、日本の中枢に入り込んで、官僚たちを丸め込んだのか、どちらかでしょう。

 

かつて、書いたことがありますが、

レーガン政権の時代、アメリカでは現在脅威に感じていることをリストアップさせる機関

に詳細を報告させました。

ソビエトとの冷戦時代でありながら、ソビエトとの確執より、日本からの輸入が多すぎる

ことが一番の脅威問題事項であると検討されました。

検討するとは、日本の企業の終身雇用を止めさせるとか年功序列を止めさせ、生産力を落

とすことと時の下村治(池田隼人首相の経済顧問)が後に書いています。下村さんもこの

ガイドは知らなかったでしょう。

その頃のアメリカは貿易赤字が急激に増え続けていたのです。

自国で、自国の消費者向けの商品を開発することでなく、優良商品であった日本の商品を

輸入したせいなので、日本の生産力を落とすことを考えたのです。

自分の成績を上げるより、同級生の成績を下げるほうが簡単と言う考えと同質な思考経路

におちいり、日本をどうにかしようと思ったとき、このガイドが役に立ったと思われます。

日本が戦後、著しい経済発展を遂げたことは、その時には猛烈サラリーマンたちの活躍で

輸出が順調に伸びたのだから、レーガンが報告を受け取って以降、ガイドを活用したとみ

るほうが自然かもしれません。

アメリカには心理学、経営学等日本が学びたい最先端科学が発展していましたので、日本

の官僚たちは、いとも簡単に「ガイド」を信じたのではないでしょうか。

 

次に、組織が最も効率よく機能する方法を考えている方の方策を述べてみます。

 

「出来るだけ会議をしない」

「ペーパーワークを課さない」

「問題点を探さない」

「問題を解決しない」

「問題が見つかったら、」笑い話にして、高笑いする。

                                 内田樹より

    こんな会社があれば務めてみたいと思われる方と、こんなことでは事業は経営できないと思われる方がいるだろうと想像できます。

 

人は、他人の話を聞かない生き物です。

だから上下の規律の厳しい組織内では上司の命令に渋々従い、言われたことだけをこなす

ことになります。これがいいかな、とか、こうすればいいかな、とか考えることも止めてしまいます。

抑圧、規制があればあるほど行為は萎縮するので、出来る限り自由に任せるほうが生産性

は上がるでしょう。

少々問題を感じても放任することです。失敗をしない人類はおりません。

渋々やるか、やる気でやるかの差は大きいでしょう。

上の上司も下の上司も、それぞれの部下の能力を十分発揮してもらうには、そのほうがいいでしょう。

組織に入って働きたい意欲のある者は、自分で考え、自分で処理すると達成感も得られ、

組織に愛着を感じられます。

おおよそ、そんな理由で書かれた内田先生の組織論だと思われます。

 

この方法だと、かつての和気あいあいとした雰囲気が会社に戻ってくるのではないでしょうか。

優雅に会社勤めができそうです。

まあ、仕事自体が優雅かどうかは問題ですが、無駄話があっても社内が明るいほうがいいでしょう。

 

                  27年12月1日   近藤 蔵人

 

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