2016年3月20日日曜日

披露宴にて

知り合いの結婚式で、スピーチを頼まれてお話しした原稿です。
二人だけで結婚式を挙げられる知人に送りたいと思います。


「披露宴にて」

 

すこし、結婚について話してみたいと思います。

今のインドネシアのジャワの創生神話です。

「ジャワを作った神は、はじめ泥で男を作り、

女を作ろうとしたら泥がなくなったので、神は世界を見渡して、女を作る材料をさがしました。

太陽を見て「お日様のように暖かく」しよう。

月を見ては「月の様にまろやかに」

「大麦のようにすらりとした形を持たせ」

「花のように香りがただよい」「木の葉のように軽快で」

「ノロ鹿のようなまなざしを持ち」この鹿は目が可愛いのです

「風のようにすばやく」「綿毛のようにきゃしゃで」

「蛇のうねりのようになまめかしく]

「かずらのようにからみつき」

「草のようにふるえ」

「小鳥のように驚きやすく」女性の特質ですね

「雲のように涙ぐみ」

「きじばとのように鳴き」

「蜜のように甘く」

最後に「ダイヤモンドの美しさとクジャクの虚栄心」を持たせました。

すごいですね。男が希望するものばかりです。

男は喜び女と結婚しました。

これらは全ての女性がもっている特質です。

皆さまは、蜜のように甘く、雲のように涙ぐみ、綿毛のようにきゃしゃにできているのです。

しかし、数日して男は神のところにやってきて、

「女がのべつ幕なししゃべり続け、ほんの少しのことで文句を言う。我慢がならない。」と訴えました。神はそれならと取り上げました。

すると男がまた来て「さみしくてたまらないから返して欲しい」と神に頼みます。神は妻を帰してやりました。

しばらくして男がまた来て「私はあいつと一緒に生活できない。さりとて、あいつなしでも生活できない」と歎くので、

「二人が一緒に生活できるように全力を尽くせ!」と神はさとしました。

これで、この神話は終わりです。

この神話を聞いた男たちは、女の魅力を思い出し、女たちは、自分たちの特性を、再認識しました。

私たちは「羽根のようにきゃしゃで、蜜のように甘く、雲のように涙ぐむ」と。

男はといえば、泥で作られたから、色々なものを吸収し、経験を積んで変化・成熟しなければなりません。

この神話は、女性の魅力をいつまでも信じてさえいれば、うまくいくと伝えているようです。

そういうわけで、神も手を焼く夫婦の関係です。

理解も共感も出来ないところのある二人が同じ屋根の下で暮らすのです。

結婚生活は全力で望まなければなりません。

それでは、ここで、神をまねて乾杯ではなく、「二人で全力をつくせ」と御唱和いただきます。わたしが、「二人で全力を」といいますから新郎新婦を見て「尽くせ」と御発声お願い致します。

ありがとうございました。

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